網膜静脈閉塞症

網膜静脈閉塞症(もうまくじょうみゃくへいそくしょう)とは

網膜静脈閉塞症(もうまくじょうみゃくへいそくしょう)とは、網膜の静脈(血管)が詰まって血液が流れなくなる病気です。
症状としては、「急に視力が落ちる」「視野の一部が欠ける」「ものが歪んで見える」などが挙げられます。

糖尿病網膜症同様、眼底出血を起こす原因の代表的もので、50歳以上の方で高血圧の方によく見られます。これは、高血圧によって網膜の血管が硬くなること(動脈硬化)が影響していると考えられます。高脂血症や糖尿病、緑内障などをお持ちの方も注意が必要です。
根元の太い静脈が詰まったものが網膜中心静脈閉塞症(CRVO)で網膜全体に出血します。枝別れをした細い静脈が詰まったものが網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)で網膜の限局的な部位に出血します。
40歳以上の日本人では、網膜中心静脈閉塞症は1000人に約3人が発症し、網膜静脈分枝閉塞症は100人に約3人が発症します。

網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)

網膜中心静脈閉塞症(CRVO)

治療

治療は状態によって、投薬治療・レーザー治療・手術などから最適なものを選択していきますが、第一選択は硝子体内注射です。症状が落ち着いたあとは、合併症の予防と原因となった高血圧などの病気の治療を行いながら経過観察をしていきます。

網膜中心静脈閉塞症(CRVO)では、悪化した時は出来るだけ早く網膜光凝固術(レーザー治療)が必要です。また早期に抗VEGF薬硝子体注射を行うことで悪化を防ぎます。

網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)でも黄斑浮腫を伴い視力低下がみられた場合は抗VEGF薬硝子体注射を要します。そしてさらなる大出血を生じる可能性が高い時は網膜光凝固術(レーザー)を行います。

抗VEGF硝子体内注射について